「キャリアの棚卸」というと難しそうに感じますが、自分がやってきたことを振り返ってみて書き出すことです。
仕事を探す前に、自分のキャリアを見つめてみると、自分の興味があることが分かったり、得意を活かせる仕事を見つけられたり、客観的に判断できるようになります。
自分の強みが分からない、無いと思わないで、些細なことでも人の役に立ったことなど経験したことは書き出してみてください。
ここでは、主婦目線で、キャリアの棚卸と見つけ方について紹介しています。ぜひ、自分の強みを見つけてみてくださいね。
経験したキャリアを順番に書き出してみよう
「キャリアの棚卸」では、社会人になって働きだしてからのキャリア、アルバイトやパートとしてのキャリア、ボランティアや手伝いでも人に感謝された経験も書き出してみましょう。
結婚・出産などでキャリアが途絶えてしまった場合も、すべて時系列で書いてみましょう。
正社員、非正規社員と関係なく、働いてきた経験を洗い出してみると、自分が何を重視して仕事を選んできたのか分かります。
また、その仕事をしていた時の気持ちを書き出してみるのもおすすめです。どんな仕事をした時に嬉しかったのか、楽しかったのかを書き出したり、逆にツラかった時は、どういうところだったのか、業務内容が合わなかったのか、職場環境がツラかったのか、など書き込んでおくと自分を理解するのに役立ちます。
傾向が分かると、向いている仕事と向いていない仕事が分かったり、好きなこと嫌なこと、得意なこと、苦手なことが見えてくると思います。
具体例:経歴の書き出し方
私の場合を例にとってみます。ざっくりとこんな経歴です。
期間 | 経歴/雇用形態 | 当時の気持ち | 好きな仕事 | 嫌いな仕事 | |
---|---|---|---|---|---|
① | 7年 | 新卒で大手予備校の事務職へ就く /正社員 | ・社会人としてのノウハウ、事務スキルを磨く ・生徒と話すのは好きだがルーチン業務が徐々につまらなく感じた ・人間関係も悪くなく、仕事の面白味を感じないが長くは続けられると思った ・シフト制や土日出勤もあり土日休みに憧れた | ・接客(生徒や親御さんと話すこと) | ・毎日のルーチンワーク |
② | 4年 | 30歳でWEBサイト制作について学びたく、未経験でも応募可能だったWEB制作会社へWEBディレクター職のアシスタントへ転職 /正社員 | ・初めてのIT系の仕事でこれまでの保守的な職場からカルチャーショックを受ける。 ・IT用語やシステム用語、ツールなどを覚えるのに必死。 ・とにかく新しい事ばかりで仕事は楽しかったが、ベンチャー特有のパワハラ系上司や体育会系の組織体制が嫌だった | ・1から企画を作りサイト制作すること | ・分業体制で言われたものを作ること |
③ | 1年 | ベンチャー企業のWEB制作会社へ転職 /正社員 | ・自分一人で完結するWEBディレクター職へ転職するものの、営業提案から制作まで行い毎日深夜まで働く ・個人事業主集団という感じで、人手が足りず毎日寝不足 ・人間関係は悪くなく成長できる環境だと思ったが、正社員として案件獲得するプレッシャーをかかえ、体調も付いていかず辞めたいと思うようになる | ・トータルディレクション出来る仕事内容 | ・製作費計算、伝票整理など細かい数字計算をする仕事 ・案件獲得や目標数字達成のプレッシャー |
④ | 2年 | 結婚後、夫の転勤先へついてくため退社。妊娠、出産、育児の傍ら、在宅でできるWEBライターを始める /フリーランス | ・妊娠中、在宅で出来る仕事として、WEBライターやWEB関連業務の手伝いを始め、一人でやる難しさや気楽さを感じた ・案件獲得の難しさと定期収入が得られない不安があった ・子どもが体調悪い時と納期が重なり深夜に仕事することもあった | ・自分の意志でやっているという自負 | ・体調不良の時など代わりに仕事をやってくれる人がいない |
④ | 1年 | 結婚を機に非正規で働く。 パートとして、広告代理店の広告レポ―ト作成業務。派遣社員としてWEBサイト制作の編集、進行管理などを行う。 /パート・派遣 | ・非正規にはノルマ設定は特になく、社員の言われたことをやるため精神的には楽だった ・1から何かを生み出すことや裁量が大きい仕事内容はできない寂しさもあった | ・言われたことをどうやって効率的に行うか、また分かりやすく人に伝えるか考えること | ・ルーチーン業務 |
⑤ | 1年 | WEBサイトの編集 /契約社員 | ・直属の上司や社員の人は良く、より良くするためのコンテンツ作りを一緒に楽しんでできた ・社長の機嫌が悪いと社内の雰囲気が暗く、怒られている人を見るととこちらまでハラハラドキドキする | ・サイト改善の提案やアイデア出し、実行 | ・とにかく質より量の業務 |
以上、お分かりの通り私は転職歴が多いです。年数は「約」ということをご承知おきください(笑)
面接では転職歴が多いことを突っ込まれることが多く、「短い期間に職を転々としている」という印象を持たれます。
なので、客観的に振り返ってみた時に、なぜ転職歴が多いのか? ここは自分だけでなく、他人も気になるポイントだと思うので、経歴説明の時は退職理由を含めて答えるようにしていました。相手が納得感が得られる理由も付け加えましょう。
もちろん、退職理由はネガティブな真実の理由を伝えてもいいと思いますが、事実ベースのポジティブな理由も必ず付け足すようにすると良いと思います。
私も面接時に、毎年退職者がたくさん出るベンチャー企業で働いてた時の退職理由を説明するときは、「職場の雰囲気が悪かったことも理由の一つでしたが、もっと○○というスキルも伸ばしたいので、転職しました。その結果、○○スキルが身につきました」というように心がけていました。
また、私の場合は、事務職からWEB関連の仕事へ転職しています。新卒後、事務職で入社した会社は7年いました。ここが一社で長く勤めた職歴です。あとは、ご覧の通りです(笑)。
事務職としてパソコンスキルを磨いたのと、予備校運営で生徒や保護者と毎日接するため接客も身についた思います。では、なぜその企業を辞めてまったく畑違いの職種へ行ったのか?
当時は「事務社員は正社員で働く男性社員のお嫁さん候補」として陰で言われていました。
なので、特段スキルも詰めず、若くてかわいくて華がある女性社員がもてはやされ、結婚を機に退職する。そんな昔の文化が根付いたような会社でした(アラフォー以上の人なら何となく分かる方もいらっしゃると思います…)。今だと完全なジェンダー問題ですよね!
だからと言って、職場環境は悪くなく、人間関係も良くてイベントも多い、居心地の良い職場でした。このまま、ぬるま湯につかっていれば定期的にお給料はもらえるし、仕事も覚えてしまって年々楽になっていく。しかし、先輩を見ていても仕事のスキルを積むという点では、年齢を重ねた時に困らないかという危機感をひっそり持っていました。
私は、もともとやってみたかった仕事にチャレンジすることに決めました。30歳を目前に、今後発展しそうなWEB業界を経験したいという理由で、未経験でも入社可能なベンチャー企業のWEB制作会社へ転職しました。
その後は、WEB業界でコツコツとスキルを身に付けていきました。初めは30歳で新人。しんどいことも多かったですが、今振り返るとあの時、転職して良かったと思っています。
どんな業務を担当したか箇条書きにする
キャリアが明確になったら、その仕事をしていたときは、どんな業務をしてきたかも書きます。
例えば、私がコロナ禍まで契約社員として働いていた会社では、WEBサイト制作の編集を担当していました。正社員さんの指示によって、サイト運営の目標数値を達成するたに記事の公開数と質を担保する仕事内容でした。
具体的な仕事内容は、「サイトの記事コンテンツの企画アイデア出し」「記事のライティング、編集」「外部ライターさんの管理」などでした。
その他には、以下の点も書き出してみるといいと思います。
- その業務を通して何ができるようになったか?
- どんなことを意識して業務に取り組んだか?
仕事のやりがいや楽しみを見つけられるヒントになると思います。
具体例:その業務を通して何ができるようになったか?
私の事例を紹介します。「サイトの記事コンテンツの企画アイデア出し」「記事のライティング、編集」「外部ライターさんの管理」業務を通じて、何ができるようになったのか?
- 企画のアイデア出しをするときは、読者のトレンドや思考を調査しながら読者が求めている内容でコンテンツ作りをした
- 数多く記事を読む、リライトすることでライティングと編集力が伸ばせた
- 新人ライターさんの採用と育成にも尽力した
具体例:どんなことを意識して業務に取り組んだか?
私の場合、どう考えていたかご紹介します。「サイトの記事コンテンツの企画アイデア出し」「記事のライティング、編集」「外部ライターさんの管理」業務について、どんなことを意識して取り組んだか?
- サイトのコンテンツを読む読者の人が、ためになる情報を提供するために、一次情報を取り、正確性に気を付けていた
- 外部ライターさんの書いた記事をよりブラッシュアップして、分かりやすさを気を付けた
- 効率よく仕事をこなせるように、お互いの進捗を常に把握しながらチームで頑張った
など、こんなことをまとめていました。
基本的に、非正規の業務だと、社員さんから指示があったことを行うことが多いと思います。数値目標は、会社での目標数値が会議で決定され、それを達成するために指示が下りてきます。だからと言って「言われたことだけやっていた」というスタンスだと、一緒に働く人もやる気がなさそうに映ってしまったり、指示がないと動けない思考に至ってしまい、自分もつまらないと思います。
やりがいや楽しみを見つけるのも、自分が働く上でポイントになります。
キャリアの棚卸で自分に合う求人が見つけやすくなる!
キャリアの棚卸ができると、自分のスキルが可視化されて、客観的に考えることができます。
意外と自分がどういったスキルを持っていたのか、強みがあるのか、よくわからなかったりします。自分が思っていた以上に、このスキルは自分だけの強みだぞとか、もっとこのスキルを伸ばした方が良さそうだな、など気付けるきっかけになります。
また、自分のスキルが活かせる職場はどういったところか?という点でも考えられるようになり、自分に合いそうな職場を見つけやすくなるメリットもあります。
キャリアの棚卸は、時間もかかりますし、ちょっとツラい作業かもしれません。でも、この作業をしておくことで、あとで職務経歴書を書くときにラクになります。
また、これまでの退職理由を考えていくと次の職場探しに活かせました。実際に私も、ミスマッチが起きていた職場では、スキルアップが望めなかったという点で退職したり、パワハラ気質の上司がいて職場の雰囲気がよくなかった点で退職したりなどしました。
次の職場は、この部分に気を付けていこうと求職探しに活かしました。
この「キャリアの棚卸」が終わったら、次のステップ「履歴書・職務経歴書をかく」がスムーズに進められると思います。
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