私が退職したのは下の子を妊娠中でした。「仕事はまだ決まっていないけど、来年度の4月から保育園へ預けたい。保活を有利にするにはどうすればいいんだろう…」と、頭を悩ませていました。
ここでは、求職中でも保育園へ子どもを預けられるのかについて、実体験をもとにまとめています。
1.「上の子が在園している場合に失業したら?」と、2.「求職中で保育園の入園は可能なの?」の、2つの切り口からご紹介していきます。前提として、どちらも「認可保育園」についての話をまとめています。
どちらも経験して、本当に悩んだ結果、とにかく調べて、行動して、下の子の保活にも成功できました。この情報が同じような問題で困っている皆さんのお役に立てたら幸いです。
ここでは、2.「求職中で保育園の入園は可能なの?」について、記事をまとめています。
妊娠中に失業!4月入園はできないのか?
結論から言いますと、求職中でも入園できる可能性はあります。実際、私は入園できました。なので、「あきらめないで!」とまずはお伝えしたいです。
ただし、待機児童が多い地域に住んでいると、すでに仕事を持っているフルタイムの家庭が一番点数が高いので、求職中の点数での入園は厳しくなると思いますので、その点は押さえておきましょう。
そもそも、保育園には下記の種類があります。
- 認可保育園…施設の広さ、保育環境、保育士の人数など国が定める基準を満たしている
- 無認可保育園…認可保育園より基準が緩やか。施設の面積が小さい、屋外遊具の設置がないなどで無認可になっているケースがある
- 認証保育園…東京都独自が定めた基準を満たしている
【各保育園の特徴まとめ】
認可保育園 | 無認可保育園 | 認証保育園 | |
基準 | 国が定める基準を満たす | 国の基準はなし | 東京都独自の基準 |
特徴 | ・保育料金が安い ・施設広さや園庭の遊具設置など国の基準をクリアしている ・自治体によって待機児童が多い ・開所は11時間が基本 ・延長保育、休日保育などに規が定ある場合も | ・保育要件を問われない ・夜間保育、休日保育にも柔軟に対応している ・保育料金は高め ・施設が狭めで外遊びなどの時間が少ない場合もある | ・助成金が出る場合もある ・大都市の特性で駅前など交通の便が良い場所の設置が多い ・A型(0~5歳を対象)とB型(0~2歳を対象)があり、定員人数も違いがある ・開所は13時間が基本 ・施設が狭めで外遊びなどの時間が少ない場合もある |
保育料金 | ・所得に応じて決定 ・自治体から保育料金の補助が出る ・月2万円~4万円の世帯が多いよう | ・各園で決定 ・自治体からの保育料金の補助が出ない ・月5万円~10万円など ・ミルクや食事代は別途かかる | ・各園で決定(ただし上限がある) ・3歳未満は8万円、3歳以上は7万7千円を超えない金額に設定されている ・運営費の一部が補助される |
窓口 | 各自治体 | 各保育園 | 各保育園 |
認可保育園と比べ、無認可保育園と認証保育園は利用料金が高めになります。また、利用申し込みをする窓口が、自治体なのか、保育園なのかも違いがあります。
保活に必要な点数とは?
認可保育園を利用したい場合は、選考があります。選考には、「保育が必要な証明」を書類として出し、家庭状況をポイントにした「点数」が重要になってきます。点数の正式名称は「指数」と言います。
指数(点数)には、下記3種類の区分があります。
- 父親…基準点数
- 母親…基準点数
- その他の条件…調整点数
基準点数である、父母の基準指数を合算し、調整点数の加点・減点を行い、各家庭の「持ち点」を出します。「持ち点」が同じ場合だったら、優先順によって順位付けされます。優先度の高い希望者から入園できます。
ここで、指数(点数)についてまとめてみます。
基準指数 | 調整指数 | 優先順位 | |
概要 | 就労状況や健康状態をポイント化した点数 | 家庭状況に合わせて加点・減点を調整した点数 | 希望者が同じ指数だった場合に優先順位付けを行う |
例 | ・就業状況(フルタイムか週5勤務か等) ・病気による入院や障害の有無 ・学業の場合 ・介護が必要な家族の有無 | ・希望する保育園に兄弟が在園中(加点) ・就労中で無認可保育園やベビーシッターの利用がある(加点) ・同居の祖父母がいて補完的な保育ができる(減点) ・区外在住者で勤務地が区内の場合(減点) | ・住民税非課税世帯 ・居住歴が長い |
いずれも点数算出方法や順位付けは、自治体によって運用が異なるので注意してくださいね。
自治体ごとに違うといっても、利用児童や待機児童数がどのくらいいるのか分かりませんよね。そこで、東京都の「区市町村別の利用児童数および待機児童数の状況」が載っていましたので、児童数の多いベスト10を抜粋してみました。
就学前児童人口、保育サービス利用率も自治体によって違いがあるのが分かると思います。ここでは、保育サービス利用児童数が多い世田谷区の点数を例にしてまとめてみました。
保育園入園の選考方法について
ここでは、世田谷区の例をとって保育園の選考方法についてご紹介しています。流れを把握しながら、「求職中」だとどのくらい点数が違うのかまとめて行きたい思います。まず、保育を必要とする事由は下記のとおりです。「求職中」でも保育へ預けられることが分かります。
次に、選考方法を抜粋してみました。
・保育の利用基準に該当する入園(転園)希望者が、保育園等の定員を超えた場合には、入園選考(利用調整)が行われます。
引用元:世田谷区ホームページ https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kodomo/003/003/002/d00005740.html
・入園選考(利用調整)では、申込書や必要書類の内容に基づき保育の利用指数(利用基準指数と調整基準指数の合計)を確定し、指数(保育の必要性)の高い方から内定します。
・同一指数となった場合は、「同一指数世帯の優先順位」をもとに選考します。
つまり、「保育園の定員を超えた→利用指数が高い人から内定→同一指数だった場合は優先順位の高い人から内定」という流れになります。点数が物を言うのが分かったところで、一番点数が高いのはどういった場合なのか調べてみました。
保育の利用基準指数
世田谷区を例にとって、指数を調査してみました。
週5日の1日8時間労働フルタイム正社員だと、点数は一番高い50点になります。
一方、求職中になると10点。その差は40点と随分開きが出ますよね。この部分をどう埋めるかに力を注ぐことになります。そこで、早く就職先を決め「就職内定・開業予定」の30点を目指すか、居住内自営の「月48時間以上の就労を状態」の15点を目指すか、できると思います。
私の場合は、少しでも保活が有利になるように、退職を決意してから妊娠中でも自宅でできるライターの仕事に応募しました。妊娠出産後は育児に追われることも考えて、自分が無理せずに納品できる量にしました。
業務委託契約書も取り交わしたので、その書類をもって、保育園入園の相談をしに役所の「子ども家庭支援課」を訪れました。入園の書類は郵送でも可能ですが、以前問い合わせした際に、納得いく答えがなかったので、直接話に行くことにしました。
詳しくは「子どもの保育園問題~在園編~」に書いています。
結果、窓口へ行って相談して正解でした。もし、以前問い合わせした方法で手続きをしていたら、一番下の求職中の「10点」での手続きになっていたと思います。上の子も退園になっていたかもしれません。
相談をした結果、「業務委託契約書があり、保育園へ預けられたら仕事時間が増やせる」という点です。「個人事業主として就業を条件にして書類を出していいと思います」と、窓口の方が書き方のアドバイスをくれました。
保育園の申し込みを行う際に必要な提出書類とは?
「保育を必要とする状況を証明するための書類」には、どのようなものを準備したらよいのでしょうか? ここでは、比較しやすくするため、求職中かつ出産した私が対象になったものを抜粋しています。
保護者の状況 | 提出書類 | 備考 | 保育の利用期間 | |
就労 | 外勤 | 就労証明書 | ・就労先の方が作成するものです。 ・提出日の直近3か月以内の証明日のものを提出してください | 小学校に入学する年齢に達する年の3月末日まで |
就労 | 自営業 | ・ 就労証明書 ・ 就労に関する客観的資料 ・ スケジュール | ・自身で記入 ・営業許可証や登記事項証明、会社のホームページなどの勤務していることがわかる資料 ・就労時間や勤務地が日々変わりない場合は、1週間分のスケジュールを提出 | 就労内定・開業の場合は、1か月以内 |
就労 | 求職 | 就労確約書 | 申請後3か月経過して引き続き求職要件での入園申込みを希望する場合は、【就労確約書】の再提出と【求職活動状況報告書】の添付が必要 | 3か月以内 |
出産 | ー | 母子健康手帳の写し | 表紙と出産予定日を記入しているページの写しを提出 | 出産予定月とその前後各2か月以内(最長5か月間) |
育児休業中 | 雇用保険未加入 | 育児・介護休業取扱通知書(写し) | 雇用保険に未加入だが、育児のために休業を取っている方は【育児・介護休業取扱通知書(写し)】を添付 | 年度末まで ※ただし、下の子が満1歳を超える時点の翌年度4月選考におい て、認可保育園等に入園できない場合は在園が可能 |
育児休業中 | 雇用保険加入 | 育児休業給付金 支給決定通知書(写し) | 雇用保険に加入しており、育児休業中の場合は【育児休業給付金支給決定通知書(写し)】を添付 | 同上 |
私の場合は、求職中ですが、点数を上げるために自営業としての書類を準備し提出しました。
就労証明書とスケジュールは、自身で書くのですが、現在の仕事時間(育児時間)と保育園へ預けられた時の仕事時間と2パターン書きました。就労に関する客観的資料には「業務委託契約書」のコピーを出しました。
その結果、「短時間保育」になりましたが無事に4月から保育園へ入園できました。上の子もそのまま在園できました。
まとめ:求職中の保活はあきらめないことが大切!
結果的には、求職中でも保育園へ入園できました。どの点数になったのかは教えてくれないので分かりません。
求職中の場合は、入園後3か月以内に勤務を開始して、その後に「勤務状況証明書」を提出しなくてはいけません。4月1日に入園し、就職先が決まらない場合は7月末に退園になります。
もちろん自治体によっては、私のケースで入園するのは難しかったかもしれません。保育園も人気の園だったら難しかったかもしれません(ちなみに、子ども達を通わせている保育園は駅から離れていて若干定員割れになる年もあります。園庭の広さや遊具の多さを魅力に感じて通わせていますが、電車通勤のときは送り迎えは少し大変です…)。
こういった点も併せて自分達のライフスタイルに無理のない保活ができると良いですよね。
どうしても保育園へ預けたいという気持ちがあるならば、何より諦めないことが大切だと思います。
その後、私は保育園へ預けながら、「短時間保育」から「標準時間保育」へ変更するべく就活を続けました。自分が希望した条件下(在宅勤務が可能、希望の職種、勤務時間は9時~17時)で仕事を見つけたかったので、求人を探していたところ働く条件がすべて叶ったのが「派遣社員」でした。
内定証明をとって保活を有利に進めたい方や、個人事業主になるのはちょっと難しいと感じる方は、短い求職期間で仕事先が決まる「派遣社員」の働き方はおすすめですよ!
求職中で子育て中のママはとにかく忙しいので、短期間で効率的に仕事を探したいですよね。さらに、自分の希望条件にあった求人を探したいなら、子育て中のママにおすすめの派遣会社へ登録してみてくださいね。派遣会社のコーディネーターが希望に合った求人を探してくれたり、フォローをしてくれるので、自分で探すより求職活動がスムーズになりますよ。
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