派遣社員として働くことに対して、「気になること」についてまとめています。私の実体験を踏まえて、40代子持ち主婦と派遣社員で働く相性についても考えてみました。良かったら参考にしてみてください。
派遣社員で働くときに気になることランキング
2015年と少し古いデータになりますが、大手派遣情報サイト「エン派遣」の中で、「派遣で働くときに気になることアンケート」というものを見つけました。自分の経験からも重視したいポイントがあったので、中途半端ですがベスト13位までご紹介します(笑)。
1位 仕事内容
引用元:教えて!エン派遣「派遣で働く際に気になること」より
2位 給与
3位 勤務時間
4位 派遣先、配属部署の環境・雰囲気
5位 求められる経験・スキル
6位 交通費
7位 勤務日数
8位 契約期間
9位 社員との人間関係
10位 勤務曜日
11位 残業時間
12位 派遣スタッフとの人間関係
13位 派遣会社のフォロー
以上、このようなランキングでした。ちなみに上位3つ「仕事内容」「給与」「勤務時間」は、派遣社員で働くとき60%の人が気になる点として選択しています。ご自身に照らし合わせてみてはいかがでしたか? 私も上位3つは、派遣社員を選ぶ際に一番気にしました。
派遣歴3年目の私から見ると、ベスト13位までは共感したり、重視したポイントだったりしたので取り上げました。こうして「派遣社員で働くときに気になること」ベスト13位までを見ていると、4つにカテゴライズできると思いました。
- 仕事内容
- 給与
- 人間関係・環境
- 条件
以上の4つについて、自分の体験談もふまえ考察してみましたので、良かったら参考にしてみてください。
気になるポイント1.仕事内容
ランキング1位:仕事内容
ランキング5位:求められる経験・スキル
カテゴリ分けしたランキングは上記の2つです。ここでは派遣社員の「仕事内容」について書いていきます。
何はともあれ、仕事探しではどんな仕事をするのか仕事内容が一番重要ですよね。どの派遣求人サイトでも、検索条件のカテゴリに「職種」欄があります。例えば、大項目で「オフィスワーク・事務系」とかでざっくり絞り、小項目で「一般事務」、「営業事務」、「学校事務」などで自分が希望している仕事内容に近づけていくイメージです。
検索をかけてみると、【仕事内容】の詳細が分かります。例を挙げると、同じ小カテゴリ「営業事務」の求人内容でも下記のように違いがありました。
求人①営業事務 仕事内容
・受発注業務・請求書発行・資料作成(Excel使用)・売上や在庫のデータ集計・デリバリー業務・メール対応・電話応対・来客応対など
求人②営業事務 仕事内容
・通訳サービスの人材コーディネート業務・CLからの連絡対応など
求人③営業事務 仕事内容
・受注入力・出荷手配・支払処理・返金手続き・手数料の支払処理・その他営業サポート業務など
同じ職種でも業界によって仕事内容が異なります。より自分のこれまでのスキルや経験が活かせる業務内容を選ぶと、選考にも通りやすく、自分が実際に仕事をする際にもスムーズに取り組めると思います。
派遣求人サイトには未経験OK、ブランクOKなど、とくに経験は必須ではありませんと書かれている場合もありますが【求められるスキル・経験】欄があることもあります。ここも見逃さないように、押さえておきましょう。もし興味ある求人で求められるスキルや経験が不足していると感じても、それに相当する経歴がないか探して応募してみるのも手です。なぜなら、書類選考を通過する可能性はゼロではないからです。
逆に、書かれているスキルを満たしている場合は、その点を応募する履歴書でこれまでのスキルを盛り込むと通過率アップになると思います。書類通過だけを目的にするのではなく、自分の経験によって実際に働くイメージが付きやすいほど自分とのマッチ率が高いと思います。
私は気になった求人を見つけたら、仕事内容を見て、自分が仕事しているイメージが付きやすいものを選んでいました。また【求められるスキル・経験】をチェックして、経験を満たしていた場合は、経験を重点的に書いてアピールしていました。
気になるポイント2.給与
ランキング2位:給与
ランキング6位:交通費
カテゴリ分けしたランキングは上記の2つです。ここでは派遣社員の「給与」について書いていきます。
気になる派遣の給与形態ですが、派遣社員は時給制です。そのため、ひと月にもらえる月収は、時給×1日当たりに自分が働ける時間×1か月働いた日数となります。
派遣会社によっては、同じような仕事内容なのに時給が違ったり、勤務時間が異なっていたりする場合もあります。同じ派遣会社の求人でも、派遣先が大手企業の場合は部署によっても勤務時間が異なったり、時給に差がある場合もあるのでよくチェックしてみましょう。
ただし、所得税は天引きされていても、住民税は、派遣社員が各人で納付するなど、派遣会社によっても天引き内容が異なるようです。住民税は、前年度の納付を今年度に行うという後払い方式のため、住民税の納付にはまとまった金額が必要となります。その点は、気を付けておきましょう。
週20時間以上働く派遣社員の給与は、健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税など、各種引かれて振り込まれます。
計算してみて自分が欲しい手取り金額を達成できるかなど、トータルで判断しましょう。
交通費は必ず支給されるのか?
基本的には、派遣社員は交通費も時給に込みというところが多いです。別途、交通費が出るかどうかもポイントになってきます。近くならば良いが
交通費が時給に加味されている場合もあるので、求人応募の際は必ず「交通費別途支給」などの文言があるか確認してみてください。また、在宅勤務の場合は、在宅手当の支給がある場合もあります。
交通費というと、電車やバスといった公共交通機関を思い浮かべるとおもいますが、中には通勤が不便のためマイカー通勤者の方もいると思います。マイカー通勤でも交通費支給がある場合もあります。精算方法はガソリン代を基準となる燃費を決めて、通勤距離ごとにガソリン代相当額を計算するようです。これは派遣元や派遣先によっても異なるので、事前に聞いてみましょう。
大型連休がある月は、月収も少なくなりますし、遠方の勤務地で交通費がでない場合は、時給換算してみたら思ったより少額だった…ということもあります。この辺も事前に自分で計算しておきましょう。
これまで2社の派遣会社から、それぞれ派遣された経験があります。交通費に関しては、派遣先1社目は交通費込みの時給でした。派遣先2社目は、出社の場合の交通費は別途支給。事前に申請した公共交通機関の金額で支給されました。また在宅勤務の場合は、在宅手当が支給されました。
派遣社員の失業保険や再就職手当はもらえるのか?
派遣社員は、派遣切りといわれる雇止めにあったり、「1カ所の派遣先で最長3年まで」と、契約期間が決まっているなど、雇用が不安定というイメージがありますよね。
実際にその点が私も不安でした。なので、派遣社員は失業保険や再就職手当をもらえるのか?について調べてみました。
結論、「条件を満たしていればもらえる」です。
仕事を退職して、次の仕事を求職中に受給できる「失業保険」。さらに就職が決まった時にもらえる「再就職手当」ですが、ここで簡単にまとめます。
失業保険
雇用保険の失業給付が正式名称ですが、働けなくなった労働者の生活と再就職を支援するために国から支給される給付です。
雇用保険に加入していた方が、受給資格対象者になります。派遣の場合は、
・1週間の所定労働時間が20時間以上
・31日以上の継続雇用が見込まれること
どちらも満たしている場合に雇用保険に加入できます。
再就職手当
雇用保険の受給資格を満たしている人が、早期に再就職先が決まった時にもらえる手当です。
では、雇用保険に加入できていたと仮定して、派遣の退職理由って何があるの?と思いますよね。これも自己都合と会社都合の2パターンあります。
●派遣社員の自己都合退社の場合
転居やキャリアチェンジなどで、自分が希望して退職するパターン。派遣では契約期間満了前に次の派遣の仕事案内があるのに断った場合や、同じ派遣会社からの就業を希望しない場合が「自己都合退社」に当たります。
●派遣社員の会社都合退社の場合
倒産、ハラスメントに遭うなど、退職を余儀なくされたパターン。派遣では、契約満了前に次の派遣就業先を指示されないで、派遣会社からの就業を希望していながら就業がない場合も「会社都合退社」に当たります。だいたい契約期間満了後1ヶ月以上派遣就業がない場合、という条件がつくことが多いようです。
なので、「派遣社員だから失業手当はもらえない」と思っている方は、しっかりもらえるので安心してください。ただし、「雇用保険に加入していること」、「離職の日よりも前の2年間に、雇用保険被保険者期間が通算1年以上あること」が条件が必要になりますので、それを満たしているか確認はしておきましょう。
気になるポイント3.人間関係・環境
ランキング4位:派遣先、配属部署の環境・雰囲気
ランキング9位:社員との人間関係
ランキング12位:派遣スタッフとの人間関係
ランキング13位:派遣会社のフォロー
カテゴリ分けしたランキングは上記の4つです。ここでは派遣社員の「人間関係・環境」について書いていきます。
「仕事内容はとてもやりがいがあるが、職場の人間関係や環境が良くなくて退職した」という声も多く聞きます。1日の3分の1の時間を使う「仕事の時間」が、ギスギスしていたり、パワハラ上司で怒鳴り声が聞こえていたり…そんな職場を想像するだけでイヤになってしまいますよね。
やはり雇われて働く場合は、仕事内容と職場環境は、切っても切れない関係ではないかと思います。本来、仕事は1人では完結できません。対人とのやり取りで感謝され、その感謝の対価としてお金が支払われる仕組みだからです。
とくに、組織に所属している場合は、チームでプロジェクトを執り行うことも多いと思います。仲良しなる必要ではなく、自分の役割やパフォーマンスを発揮するためにも円滑にコミュニケーションできる環境は必須だと思います。意見や議論のぶつけ合いは良いですが、私情やその日の感情で意見が変わったり、人によって態度が変わるチームは嫌ですよね…。
はっきり言って、職場で働き出してみないと人間性や職場の雰囲気は分かりません。また、ある人には良くても、自分には居心地が悪いと感じてしまう場合もあるでしょう。
派遣は、事前に派遣コーディネーターの人に職場の雰囲気、年齢層など情報をいただける場合もあります。それは、派遣で働くメリットでもあります。
また、書類追加した後の顔合わせの時には、派遣先の上司の方(面接官)の雰囲気もチェックしてみると良いでしょう。
派遣されてみて、やっぱり雰囲気が自分とは合わない、職場を変えたいと思った場合も、3か月更新が多い派遣社員なので違う派遣先を紹介してもらうことも可能です。しかも、退職の意思は派遣元へ伝えるので後ろめたさを感じる必要もないです。この辺は、派遣コーディネーター、派遣元を上手に活用しましょう。
実際に、今いる部署の派遣の先輩に話を聞いてみると、どうしても環境や人間関係が合わない派遣先があったそうで「3か月で辞めて他にいったよー」と言っていました。短期間で派遣が変わっているところは注意して、「なぜ欠員が出ているのか?」「3年満了だったのか?」について派遣元に聞いてみると判断材料になるよ!と教えてくれました。
気になるポイント4.条件
ランキング3位:勤務時間
ランキング7位:勤務日数
ランキング8位:契約期間
ランキング10位:勤務曜日
ランキング11位:残業時間
カテゴリ分けしたランキングは上記の5つです。ここでは派遣社員の「条件」について書いていきます。
派遣社員として働くためには、自分が希望する条件で働けるか気になりますよね。とくに、ランキングで上がっている「勤務時間」「勤務日数」「契約期間」「勤務曜日」「残業時間」は、子持ち主婦にとって家庭や子育てと両立できるか決めるのに大切なポイントではないでしょうか?
気になるポイントを、実際に私が働いている勤務内容と照らし合わせて紹介します。
- 勤務時間…9時~17時/在宅勤務、出社の場合は自宅から会社まで40分
- 勤務日数…週5日
- 契約期間…3か月更新/最長3年
- 勤務曜日…平日(月~金曜日)
- 残業時間…繁忙期に月20時間程度
中でも、私が譲れない条件は「勤務時間」「勤務曜日」でした。子どもの保育園への送り迎えがあり18時までには迎えに行きたかったので、退勤時間は17時までを希望。勤務曜日は、子どもとの時間を大切にしたいので土日祝日休みを希望。この2点をポイントに選びました。
結果的に、今派遣されている先では上記の勤務条件になるのですが、当初の求人に掲載されていた勤務時間は9:30~17:30でした。しかし、17:30ではお迎えがギリギリになってしまうので、「早出はできるので9時~17時までの勤務時間にならないでしょうか?」と派遣元へ聞いてみました。「前例もあるので大丈夫だと思います」という回答がありました。
次に、繁忙期の20時間程度の残業時間が気になりました。事前に派遣元へ「残業している方はいらっしゃいますか?」と聞いてみると、「同じく残業できないスタッフもいて勤務時間の中で集中して終わらせている人もいますが、派遣先へ聞いてみましょう」という回答がありました。
派遣先の上司の方と顔合わせの日に、気になっていた勤務時間と残業について聞いてみました。
「繁忙期は4カ月くらいなのですが、この時は社員も超多忙になりどうしても残業が発生しまいます。もちろんお子さん優先で勤務終了時間が17時というのは全然問題ないのですが、少しでも残業できる日はありませんか?」と聞かれました。
そこで私が言った回答は「ご事情は分かりました。もちろん残業は可能です。ただし、子どもお迎えを18時までに行かなければいけないですが、朝早く出ることは可能です。朝残業という形で対応するのは問題ないでしょうか?」
と提案しました。毎日1時間程度の残業が発生するとして、8時から勤務して17時終了にすれば対応は可能だと思ったからです。
結果、提案を受け入れてくれて採用になりました。
私の実体験を交えてお伝えしたいのは、提示条件のどこまでを妥協できるかを把握して提案することだと思います。
私が譲れないポイントは、退勤時間というよりも「18時までのお迎えに間に合うこと」でした。
なので、17:20頃までなら残業も可能でした。また、在宅勤務の場合は、朝早く仕事を開始するのは全然かまわなかったので(早起きは得意、子どもお世話を8時までに完了させることにて対応)、提案をしました。
譲れない点と妥協点を把握して、上手に提案すると採用率も高くなると思います。
私は仕事内容面、給与面、条件面が自分に合っていると感じ、就業希望が高かったので、残業もできるという条件を提示しました。もし、譲れないポイントが「残業は絶対やりたくない」だったらミスマッチだったと思います。
まず、自分が譲れない条件と妥協できる条件を把握し、次に派遣元に調整可能な範囲はどこまでなのかを、事前に聞いてみるといいと思います。コーディネーターを上手に活用しましょう。
派遣で働くなら、自分が希望する条件は譲れないですよね。私は譲れない条件をとにかく洗い出すことから始めました! さらに優先順位をつけて、妥協点も決めておくと、案件選びに悩みや迷いが無くなりますよ。
その他、個人的に気になるポイントまとめ!
ここでは、現役の派遣社員である私が個人的に押さえておいたほうが良い、個人的に気になったことを「派遣で働く前に気になること」としてまとめていきます。一問一答形式で答えていきますね。
派遣の休憩時間は?
もちろん、休憩時間は派遣社員にもあります。
休憩時間は雇用形態で変わるわけではなく、労働時間の「長さ」で決まります。下記の表を参照してみてください。
労働時間 | 休憩時間 |
---|---|
6時間超え~8時間以下 | 45分 |
8時間超え | 60分 |
労働基準法第34条で、労働時間が6時間超えたら少なくとも45分、8時間超えたら少なくとも60分の休憩を与えなければならないと定められています。
また、「ノーワーク・ノーペイの原則」により、休憩時間中は賃金が発生しないのが一般的です。
派遣の有休休暇は?
派遣社員も有休休暇はあります。
有給休暇は、働く人の当然の権利です。正社員、派遣社員といった雇用形態に関係なく、会社は労働者へ決められた日数の有給休暇を与えられなければならいないと「労働基準法」で定められています。
しかし、有給休暇を得るには、下記の一定の条件を満たす必要があります。
・働き始めてから6か月以上勤務していること
・全労働日数の8割以上出勤していること
そのため、登録型派遣のような短期労働の場合は有給休暇の発生が無い場合もあるので注意が必要です。申請先は、派遣先ではなく派遣会社に対して申請します。ただし、実際に業務をしている派遣先企業に自分が休むことで影響が出る場合もあるので、派遣会社、派遣先へ事前に取得方法を確認しておきましょう。
ちなみに、2019年に労働基準法が改正され、すべての企業は有給休暇が10日以上付与される労働者に対し年5日以上は有給休暇を取得させることが義務付けられています。
最後に、与えられる有給休暇の日数を表にまとめましたので、参考にしてみてください。
雇入れの日から起算した勤続期間 | 付与される休暇の日数 |
---|---|
6か月 | 10日 |
1年6か月 | 11日 |
2年6か月 | 12日 |
3年6か月 | 14日 |
4年6か月 | 16日 |
5年6か月 | 18日 |
6年6か月以上 | 20日 |
派遣社員の中には所定労働日数が少ない方もいますよね。その場合は、上記の表よりも日数が少なく、比例的に付与されます。時短や週3で働きたいといった方は、こちらの厚生労働省のページを確認してみてくださいね。
派遣の賃金相場は?
株式会社リクルートジョブズリサーチセンターが発表している「平均賃金レポート」の情報をもとにご紹介します。こちらでは、首都圏、大阪圏、名古屋圏の三大都市圏をもとに、求人メディア「リクナビ派遣」「タウンワーク」に掲載された求人情報より、派遣スタッフの募集時平均時給を集計した2023年3月度の調査データです。
雇用形態 | 平均時給 |
---|---|
派遣スタッフ | 1,629円 |
パート・アルバイト | 1,143円 |
ちなみに、派遣スタッフの三大都市圏の3月度の平均時給1,629円は、過去最高だそうです。
派遣は副業やダブルワークしてもいいの?
派遣は副業やダブルワークをしてもOKです。
すでに副業解禁になっている現在ですが、正社員の中にはまだ就業規則で副業やダブルワークを禁止している企業もあります。
法律的には、副業をすることを禁止する法律はないので個人の自由です。違法行為には当たりません。禁止している企業では、本業と副業とで長時間労働になる、労災発生時の責任の所在が不明などの懸念があるようです。
副業の基準としては、確定申告が必要(納税の義務が発生)となってくる20万円以上の収入を本業以外で得た場合です。
派遣会社で副業がNGとしているとこるは少ないと思いますが、念のため確認してみましょう。私も今の派遣元に確認して「副業しても問題ない」という回答を得ました。
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